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第5回:未来への選択肢としてのeスポーツ 〜キャリア・進路との接点〜
〜eスポーツと不登校コラム連載(第5回/全5回)〜
「このまま、うちの子は将来どうなるんだろう」
不登校の子どもを持つ保護者の多くが抱える不安。その根っこには、「学歴がなくては将来がない」「学校に行かない子は社会に出られない」といった、いわば“常識”に基づく価値観がある。
だが、社会は変化している。学校に行かなかったからといって人生が閉ざされる時代ではない。そしてその変化を象徴する分野のひとつが、eスポーツだ。
本稿では、eスポーツがどのように子どもたちの将来と結びつき得るのか。不登校から始まるキャリア形成の可能性を探っていく。
■ 「好き」が道をひらく時代
eスポーツには「プロゲーマー」という華やかな進路が注目されがちだが、実際に職業として存在するのはそれだけではない。イベント運営、実況・解説、配信技術、チームマネジメント、広報・PR、トレーナー、コーチ、さらにはeスポーツと教育・福祉・医療をつなぐ専門職など、多岐にわたる分野が広がっている。
つまり、eスポーツを軸に「好きなこと」「得意なこと」を見つけることが、子どもたちの将来への足がかりになるのだ。
千葉市のeスポーツ体験会に参加していた高校生Bくん(仮名)は、かつて不登校だったが、eスポーツを通して「イベントを作る側」に興味を持ち、今は専門学校で映像制作を学んでいる。「ゲームが好き、だけじゃない。ゲームを通じて『やってみたいこと』が見つかった」と話す彼の姿は、不登校の経験を“出発点”に変える大きなヒントを示している。
■ “自己効力感”の積み重ねがキャリアをつくる
キャリア教育で重要なのは、「自己効力感」――すなわち「自分にはできる」と思える感覚だ。不登校の子どもたちは、学校という場で何度も失敗や拒絶を経験し、自信を失っているケースが多い。その彼らが、eスポーツという世界では自ら練習を重ね、仲間と協力し、目標に向かって進んでいく。
日々のプレイで得られる小さな成功体験。「昨日より上手くなった」「仲間に褒められた」「大会で入賞できた」。こうした体験の積み重ねが、「次はもっと上を目指したい」という前向きなエネルギーを生み出す。これは、キャリア形成の原動力に他ならない。
また、eスポーツは「努力が報われる世界」でもある。年齢や学歴、外見といった外的要因に左右されず、純粋に実力と経験、協調性が評価される。これは、不登校によって社会的評価を受けにくくなった子どもたちにとって、極めてフェアな環境と言える。
■ 不登校経験が“武器”になる日もある
今、eスポーツに関わる仕事の中には、かつて不登校を経験した人材が増えてきている。彼らは「同じ目線で語れる強み」を持っており、支援職や教育職としても高く評価されている。
たとえば、eスポーツを活用したフリースクールや居場所支援の現場では、スタッフ自身が「元・不登校ゲーマー」であることが、子どもたちとの信頼関係を築く大きな力になっている。「わかってくれる人がいる」という安心感は、何よりの支えになる。
つまり、不登校の経験は「キャリアの妨げ」ではなく、「唯一無二の視点」として武器にできるのだ。
■ キャリア支援の現場に、eスポーツの視点を
今後、教育や福祉の現場で求められるのは、「進路=大学・就職」という一本道からの脱却である。特に不登校の子どもたちにとっては、「今の自分を肯定できる道筋をつくること」が最優先だ。
そのために、eスポーツを活用した進路支援の導入が考えられる。たとえば――
職業体験:eスポーツイベントの企画・運営を体験 スキル講座:動画編集、配信技術、マネジメントスキルなどの実践学習 キャリア相談:eスポーツに詳しい支援者との個別面談 ロールモデルとの対話:不登校経験を経てeスポーツ業界で活躍する先輩との交流
これらの取り組みは、決して「ゲームで食べていく」という短絡的な夢を煽るものではない。むしろ、eスポーツを“鏡”として自分の得意や興味を知り、進路の選択肢を広げていくためのツールとして機能させることにこそ意味がある。
■ 子どもたちの未来は、ひとつじゃない
「学校に行けなかった子に、未来はあるのか?」
その問いに、eスポーツはこう答えるだろう。「もちろんある。しかも、自分で選べる未来だ」と。
不登校から始まるキャリアは、決してマイナスではない。むしろ、そこから学び、試行錯誤し、他者とつながる中で、自分にしかない進路を切り拓いていく。それが、eスポーツがもたらす「新しい教育と社会のかたち」なのかもしれない。
【あとがき】
全5回にわたり、「eスポーツと不登校」をテーマに、現状・可能性・支援・学び・進路という5つの視点から考察してきました。eスポーツは決して魔法の道具ではありません。しかし、子どもたちの心に火をともす「きっかけ」として、極めて大きな可能性を秘めた存在です。
これからも、子どもたちの“好き”に寄り添い、“得意”を支え、“未来”へつなぐ大人たちが一人でも多く増えることを願って、この連載を締めくくりたいと思います。
第4回:eスポーツを学びに変える 〜教育的視点からの活用〜
〜eスポーツと不登校コラム連載(第4回/全5回)〜
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「ゲームは勉強の敵」
そんな言葉を聞いたことはないだろうか。確かに、長時間のゲームプレイが学業への集中を妨げることはある。だが一方で、私たちは忘れていないだろうか。学ぶとは、本来「好きなことを深めること」だったはずだと。
今回は、eスポーツを「学び」のフィールドと捉え直し、不登校の子どもたちがそこからどのように学び、成長できるかを探ってみたい。
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■ ゲームには「学びの芽」が詰まっている
eスポーツの現場には、実は教育的な要素が数多く隠れている。たとえば、戦略系やチーム型のゲームにおいては、下記のような力が自然と養われる。
• 論理的思考力:状況を分析し、次の一手を考える力
• 情報処理能力:マップ、スコア、敵の動きなど複数の情報を瞬時に読み取る力
• コミュニケーション力:チームで勝つために話し合い、役割を調整する力
• タイムマネジメント:プレイ時間や練習スケジュールを自分で管理する力
さらに、eスポーツに関心を持つことで、「周辺知識」への探究が始まることもある。配信技術、動画編集、PCパーツ、英語の用語、eスポーツ業界の仕組みなど、自発的に学ぶ子どもも少なくない。学ぶ動機は「好きなこと」である方が強く、深くなる。これはまさに、不登校の子どもたちがもう一度「学ぶことの楽しさ」に触れるための入り口として、非常に有効だ。
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■ “学び直し”の入り口としてのeスポーツ
学校に行けなくなったことで、「自分には勉強する力がない」「どうせ何もできない」と自己否定的になる子どもは多い。しかし、eスポーツを通じて小さな成功体験を積むことで、「何かをやり遂げる力」は確かに自分の中にあると実感できる。
たとえば、「自分でチームをつくって練習をまとめた」「YouTubeに自分の試合の解説動画を上げた」など、学力とは別の“成果”が目に見える形で現れる。それが自信につながり、「じゃあ勉強も、ちょっとやってみようかな」と前向きな変化が生まれることがある。
実際、あるフリースクールでは、午前中に少人数でのeスポーツセッションを行い、午後に自習時間を設けるプログラムを導入したところ、学習参加率が飛躍的に向上したという。子どもたちは「午前中に楽しいことをしてエネルギーが貯まった」「午前の自分を褒めてくれるから、午後も頑張れる」と話していた。
eスポーツは、単なるご褒美ではなく、学習のリズムを作る“起点”にもなり得るのだ。
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■ カリキュラムへの組み込みと課題の克服
近年では、eスポーツを教育に活かす動きが全国で進んでいる。高等学校では、情報科や探究学習の一環としてeスポーツを取り上げるケースが増えており、「eスポーツコース」を設置する学校も登場している。
具体的には、以下のような教科横断型の学習が可能だ。
• 情報×eスポーツ:配信技術、動画編集、ハードウェアの知識
• 英語×eスポーツ:英語での戦術用語、海外プレイヤーとの交流
• 保健体育×eスポーツ:姿勢、集中力のコントロール、体調管理
• 探究学習×eスポーツ:職業研究、イベント企画、地域貢献活動
しかし一方で、教育現場には「ゲーム=遊び」という固定観念も根強く、理解を得るには根気と実績が必要だ。教師側のリテラシー不足、時間・機材の制約、保護者からの反発など、課題も多い。
だからこそ、まずは「小さく始めて、丁寧に見守る」ことが大切だ。すべてを学校の責任にせず、地域や民間と連携しながら、柔軟な学びの選択肢としてeスポーツを活用していく視点が求められている。
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■ 「学びは教室の中だけではない」と認める勇気
不登校の子どもたちは、「教室に入ること」だけが教育ではないと、無言で私たちに伝えている。
そしてeスポーツは、そのメッセージを具体的な形にしてくれる。「学ぶことは、どこでも、誰とでもできる」。その原点を取り戻す機会が、eスポーツにはある。
子どもが夢中になっているその画面の中に、「学びの火種」があるかもしれない。私たち大人がすべきことは、それをただ否定するのではなく、どう育てるかを共に考えることだ。
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次回、最終回は「未来への選択肢としてのeスポーツ 〜キャリア・進路との接点〜」をテーマに、eスポーツが子どもたちの将来にどうつながるかを考察します。
〜eスポーツと不登校コラム連載(第3回/全5回)〜
第3回:家庭・学校・地域ができるeスポーツ支援のかたち
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「ゲームばかりしていて大丈夫なのか」
eスポーツを語るとき、保護者や教育現場から最もよく聞かれる声である。確かに、長時間のプレイや依存の問題、暴力的な描写を含むゲームへの懸念は無視できない。しかし、子どもたちが心から安心できる場所を求め、eスポーツに居場所を見出している現実に、私たちはもっと目を向ける必要がある。
本稿では、家庭・学校・地域の大人たちが、どのようにeスポーツを“支援の手段”として活用できるか、その具体的な可能性について考えてみたい。
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■ 家庭:ゲームを「対話の道具」に変える
まず重要なのは、家庭内での理解とコミュニケーションである。不登校の子どもが日中ゲームをしている姿を見て、不安や焦りを感じる親は少なくないだろう。しかし、否定や制限を一方的に加えることは、子どもの心の扉を閉ざす原因にもなる。
そこで有効なのが、「ゲームを通じた対話」だ。
たとえば、「今日はどんなゲームをしたの?」「そのキャラクターはどんな役割?」といった問いかけから始めてみる。最初は反応が薄くても、自分の関心を受け入れてもらえたと感じることで、徐々に会話の糸口が広がっていく。
ある保護者は、不登校の息子が熱中している『Apex Legends』を一緒にプレイするようになった。ゲームの中で息子が仲間に指示を出し、リーダーとして活躍している姿を目の当たりにし、「この子にはこんな一面があったのか」と驚いたという。ゲームは、親が子どもを理解する“窓”にもなりうるのだ。
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■ 学校:居場所のひとつとしての“eスポーツ空間”
次に学校である。多くの不登校児童・生徒が、保健室や別室登校などの“サブスペース”を利用しているが、そこにeスポーツを取り入れることが新たな可能性を生んでいる。
全国的に広がりつつある「eスポーツ部」や「eスポーツラウンジ」は、出席に不安を抱える生徒たちが無理なく学校と関われる場として注目されている。千葉市のある中学校では、週1回、放課後にeスポーツの時間を設けたところ、普段は教室に入れなかった生徒が自主的に登校し、他の生徒と自然に交流するようになったという。
ポイントは、「eスポーツを目的にしてもいい」と認めることだ。
従来の学校では、「授業を受けるために来る」が大前提だったが、eスポーツは「好きなことをするために学校に来る」動機づけを可能にする。そこから、段階的に他の活動へと関心が広がっていくケースも多い。
もちろん、教育的視点からは運営体制やコンテンツ選定の慎重さが求められる。暴力性の強いゲームを避ける、時間管理を徹底する、教職員が関わり支援体制を整えるなど、ルール設計は不可欠だ。しかし、それ以上に大切なのは、「子どもたちが主体的に関われる場」をつくることではないだろうか。
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■ 地域:第三の居場所としてのeスポーツ施設
そして最後に、地域の力である。家庭でも学校でもない「第3の場所」が、子どもたちの成長に与える影響は想像以上に大きい。eスポーツカフェや、児童館に併設されたゲームスペース、地域主導のeスポーツイベントなど、地域レベルの取り組みが子どもたちにとって重要な“接点”となっている。
千葉市eスポーツ協会が主催するeスポーツ体験会では、不登校の子どもたちとその家族が安心して参加できるよう、少人数制・時間制限付きのプログラムが採用されている。「ここなら行ってみたい」「ここなら自分がいてもいい」と感じられる環境づくりこそ、地域に求められる役割だ。
地域が「ゲーム禁止」ではなく、「正しく付き合う方法を教える」方向に舵を切れば、それは“予防”にも“回復”にもなる。不登校は一つのきっかけにすぎない。eスポーツを通して子どもが外と再接続するプロセスを、地域が受け止めることが求められている。
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■ 「大人が“否定”から“理解”へ変わること」が第一歩
不登校の背景にあるのは、単なるわがままではなく、本人にとって「苦しい場所にいられない」という切実な感覚だ。その逃げ場としてのeスポーツが、実は子どもにとって“立ち直るための足場”になっている――この事実に、多くの大人がまだ気づいていない。
支援とは、何か特別なことをすることではない。子どもが安心して「好き」と言えるものを、一緒に認め、考え、応援すること。eスポーツは、家庭・学校・地域、それぞれの立場からの支援を有機的に結びつける“媒体”にもなり得るのだ。
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次回は、「eスポーツを学びに変える〜教育的視点からの活用〜」をテーマに、学習や育成の観点からeスポーツをどう取り入れていけるかを掘り下げていきます。
2025/05/06 〜eスポーツと不登校コラム連載(第2回/全5回)〜
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第2回:eスポーツが育む社会性と自己肯定感
〜eスポーツと不登校コラム連載(第2回/全5回)〜
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「人とうまく話せない」「何を言っても否定される気がする」
不登校の子どもたちが語る不安の多くは、「人間関係」から始まる。学校という小さな社会で、一度つまずいたり孤立したりすると、自信をなくし、再び誰かと関わることに対して強い抵抗感を抱くようになる。
しかし、eスポーツという“もうひとつの社会”では、そうした子どもたちが驚くほど自然に他者と関わっている。ゲーム画面の向こうで、自ら作戦を話し、味方に声をかけ、失敗すれば謝り、勝てば仲間と喜び合う。そこには、学校では見せなかった彼らの「素のコミュニケーション」が息づいている。
なぜeスポーツでは、彼らが人と関わることを怖れないのだろうか。
第一の理由は、「共通の目的」があることだ。
例えば『Fortnite』や『VALORANT』のようなチーム系ゲームでは、勝利という目標に向かって役割を分担し、協力し合うことが求められる。「誰が強いか」ではなく、「どう勝つか」が問われる場面では、たとえ技術が未熟でも、発言力やサポート力が評価される。結果として、自然とコミュニケーションが生まれ、関係性が築かれていく。
第二に、「物理的距離が心理的ハードルを下げてくれる」ことが挙げられる。
学校では、同じ教室にいることで常に周囲の目を気にせざるを得ない。しかし、eスポーツの多くはオンラインで行われ、顔や身体的特徴、服装などが相手に伝わらない。声やテキストチャットだけでのやり取りだからこそ、安心して自分の意見を伝えることができる。「顔が見えないからこそ、本音で話せる」――これは現代の子どもたちにとって、リアルよりも信頼できる関係性の築き方なのかもしれない。
そして、もう一つ重要な点は、**「役に立てる実感」**を得られることだ。
不登校の子どもたちは、日常の中で「自分が必要とされている」と感じる機会が極端に少ない。しかし、eスポーツの場では、ひとつのプレーや提案がチームの勝敗を左右する。「ナイスカバー!」「その判断、助かった!」という言葉が飛び交う中で、彼らは自らの存在価値を実感し、次第に自己肯定感を取り戻していく。
千葉市のとあるeスポーツ教室では、不登校の子どもたち向けに週に一度のチーム対戦会が行われている。そこで筆者が目にしたのは、控えめだった少年が、ゲーム内ではチームリーダーとしてメンバーに的確な指示を出し、皆に頼りにされている姿だった。運営スタッフの話では、「彼は最初、人と話すのも苦手だった。でも今では、初心者メンバーに自分から声をかけて、プレイのコツを教えるようになった」とのことだった。
学校の成績や出席日数では評価されないこうした“成長”こそ、教育現場がもっと注目すべき力なのではないだろうか。現代の子どもたちは、「話す」よりも「プレイする」ことで心を開き、「競う」ことで自分を確かめ、「共に勝つ」ことで絆を育んでいる。
eスポーツは、単なる娯楽ではない。それは子どもたちにとって、“関係性のトレーニング”でもあるのだ。
また、興味深いのは、eスポーツの世界では「役割分担」が極めて重視される点だ。エースプレイヤーだけでなく、味方の支援に回るプレイヤー、状況を分析して作戦を立てるプレイヤー、全体の士気を保つムードメーカーなど、さまざまな役割が存在する。不登校の子どもたちが「自分にはどんな力があるのか」を知るヒントは、実はこの多様なポジションの中にある。
ある支援団体の代表はこう語る。「一人ひとりが“強くなること”ではなく、“自分の役割を見つけること”が大事。eスポーツは、そのためのリアルな練習場になるんです」。
学校という限られた評価軸では見えなかった個性が、eスポーツという場では明確に可視化される。そしてそれが、やがて“自分を好きになる”きっかけになる。
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次回は、「家庭・学校・地域ができるeスポーツ支援のかたち」をテーマに、大人たちがどのように子どもたちのeスポーツ活動を支え、理解していけるのかを考えます。
2025/05/04 〜eスポーツと不登校コラム連載(第1回/全5回)〜
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連載テーマ:eスポーツと不登校 〜ゲームが開くもう一つの教室〜
第1回:不登校の現状と子どもたちの居場所としてのeスポーツ
第2回:eスポーツが育む社会性と自己肯定感
第3回:家庭・学校・地域ができるeスポーツ支援のかたち
第4回:eスポーツを学びに変える〜教育的視点からの活用〜
第5回:未来への選択肢としてのeスポーツ〜キャリア・進路との接点〜
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第1回:不登校の現状と子どもたちの居場所としてのeスポーツ
〜eスポーツと不登校コラム連載(第1回/全5回)〜
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「不登校」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。学校に行かず、家に引きこもり、社会と断絶している。そんな負の印象が先に立つかもしれない。だが、実際には、彼らの多くが「行けない」のではなく、「行かない」ことを選んでいる。なぜなら、学校という空間が自分の居場所ではないと、心が教えているからだ。
文部科学省の調査によれば、2023年度の小中学校における不登校児童生徒数は過去最多を更新し、30万人を超えた。特に中学生の約20人に1人が不登校という現実は、もはや特殊な事例ではない。背景には、いじめや人間関係、学業へのプレッシャー、発達特性など様々な要因が複雑に絡み合っている。
そんな中、ある場所が静かに、不登校の子どもたちの“居場所”として注目されている。それが「eスポーツ」だ。
eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)は、単なるゲームの延長ではない。競技性を持ち、プレイヤー同士が真剣勝負を繰り広げるこの世界には、コミュニケーション、戦略、チームワークといったリアル社会に通じるスキルが必要とされる。特にオンライン対戦型のタイトルでは、年齢や出身、身体的条件に左右されずに純粋なスキルで競い合えるため、不登校の子どもたちにとっては「初めて自分が認められた」と感じられる場面が多い。
千葉市に住む中学2年生のAくん(仮名)は、小学校高学年の頃から教室に居づらさを感じ、不登校になった。だが、家でひとりゲームに打ち込むうちに、あるオンラインチームに出会い、日々の練習に参加するようになったという。「毎日決まった時間にログインして、仲間と一緒に戦術を話し合って試合をする。その中で、自分が必要とされている実感が持てたんです」と彼は話す。
もちろん、eスポーツが万能な解決策ではない。依存のリスクや、保護者の理解不足といった課題もある。だが、今までの「学校に戻す」一辺倒の支援だけでは拾いきれなかった子どもたちが、eスポーツというフィールドでは自分の力を発揮し、生き生きと関われる例は確かに存在している。
eスポーツの最大の特徴のひとつは、オンラインでの「つながり」だ。人と人との物理的距離が関係なく、言葉と操作によってチームが機能する。それは、教室での空気に馴染めなかった子どもたちが、「ここでは息ができる」と感じる瞬間にもなり得る。さらに、DiscordやZoomなどを用いたボイスチャットの普及により、リアルタイムでのコミュニケーションも活発になっており、そこには笑いあり、真剣な議論ありの“新しい教室”が広がっている。
筆者が取材した中で印象的だったのは、とあるeスポーツ支援団体の代表が語った言葉だ。「不登校の子どもたちは“社会と切れている”んじゃない。彼らなりのやり方で、別の方法で社会とつながろうとしている。私たち大人は、それをちゃんと見つけ、認め、支えることが必要なんです」と。
つまり、eスポーツとは、単なる“遊び”や“息抜き”ではなく、「承認」と「挑戦」が同時に得られる数少ない活動の一つなのだ。彼らはeスポーツを通じて、誰かと対話し、時に衝突し、勝ったり負けたりを繰り返しながら、実社会の縮図の中を生きている。そこには、学校での学びとは異なる「生きる力」の育成が確かに存在している。
現代の子どもたちは、生まれながらにしてインターネットとゲームの文化の中にいる。そこを「現実逃避」として切り捨てるのではなく、「もう一つの現実」として正しく見つめ直す時期に来ているのではないか。eスポーツという文化は、私たち大人に「子どもたちの目線で世界を見る」ことの大切さを改めて突きつけてくる。
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次回は、「eスポーツが育む社会性と自己肯定感」をテーマに、不登校の子どもたちがどのように人間関係を築き、成長していくのかを掘り下げていきます。
2024.4.24 コラム
おはようございます!
では、ついに最終回。ここまで読んでくれて本当にありがとう!
ラストは、これからのeスポーツ運営について、一緒に未来を見ていきましょう。
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eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
最終回:eスポーツ運営の未来とこれからの可能性
eスポーツは、ここ10年で「一部のゲーマーの遊び」から「世界を動かすエンタメ」へと進化してきた。
そしてこれからは、新しい課題とチャンスの時代に入っていく。
今回は、運営の視点から見た「これからのeスポーツの姿」をお届けします。
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1. 「盛り上がる=成功」じゃない時代へ
これまでは「とにかく人を集めよう!」「SNSでバズらせよう!」が主流だったけど、
最近は少しずつ「どう続けていくか?」という視点が求められている。
• 地域に根ざすコミュニティ大会
• 年間通して支えるリーグ運営
• 学校や教育現場との連携
ただ“熱くなる”だけじゃなく、続ける仕組み=仕組み化と育成がキーワードになっていく。
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2. 「多様な関わり方」が広がっていく
これからは、運営に関わる人たちのスタイルもさらに多様に。
• 地域密着のプレイヤー兼主催者
• 学校の先生×eスポーツコーチ
• 動画クリエイター×大会オーガナイザー
• 企業の広報×eスポーツイベント担当
フルタイムで運営に関わらなくても、“自分の立場でeスポーツと関われる”時代が来ている。
だからこそ、「自分にしかできない運営」っていう視点が大事。
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3. 成長とともに生まれる「課題」もある
もちろん、未来には課題もある。
• プレイヤーの待遇改善・契約の整備
• 運営人材の育成と持続可能な働き方
• 若年層への教育・依存対策とのバランス
• eスポーツに対する“偏見”の払拭
でもこれは逆に言えば、運営という立場だからこそ解決に関われる部分でもある。
「プレイヤーの味方であり、社会との橋渡し役」になれるのが運営の魅力でもある。
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4. 運営がつくる“未来の文化”
eスポーツは「文化」になる途中のジャンル。
それを支えるのが運営の力。たとえば――
• あの大会があったから、今の選手が生まれた
• あの会場での盛り上がりが、次の地域を動かした
• あの配信がきっかけで、初めてのeスポーツ体験をした
未来の誰かにとって、「あのときの運営」が思い出になる。
それって、すごく誇れる仕事だと思いませんか?
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おわりに:これからeスポーツを支えるあなたへ
全6回にわたって、eスポーツ運営の裏側を一緒に見てきました。
運営というのは、派手じゃなくても、
名声を得られなくても、
誰かの“楽しい”を支える仕事です。
でもそこには、自分のアイデアで人を動かせる自由さがあり、
一瞬の熱狂を一緒に作る感動があり、
未来の文化をつくる手応えがあります。
eスポーツに関わるすべての人が、
それぞれのやり方でこの世界を面白くしていけたら――
それが本当の「eスポーツの未来」だと思っています。
2025.04.23 ブログ
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eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
第5回:eスポーツ運営に関わる仕事とキャリアパス
eスポーツの運営といえば「大会を開く人」のイメージが強いけど、実は関わる職種はかなり多岐にわたる。
今回は、「どんな仕事があるのか?」「どうやって関わるのか?」という視点から、eスポーツ業界でのキャリアのヒントを見ていこう。
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1. 運営現場に関わる主な職種
まずは大会を支える現場系の職種から。
• イベントディレクター:大会全体の企画・進行・現場指揮などを行う「総監督」ポジション。スケジュールと人をさばく力が求められる。
• テクニカルスタッフ(配信・機材系):音響・映像・ネット回線・PCなど、技術面の管理を担う。トラブル対応の瞬発力が命。
• オブザーバー/スイッチャー:配信の“見せ方”を担う。映像の切り替えやカメラワークで、プレイをどう見せるかをコントロール。
• 審判(レフェリー):ルールの把握と試合中の判断を行う。公平性と冷静さが必要。
• マネージャー/進行補助:選手や出演者のケア、裏方の連携役。まさに「現場の潤滑油」。
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2. 企画・プロモーション側の職種
裏方だけでなく、表に出る前の“仕掛けづくり”も重要。
• 大会プロデューサー/プランナー:企画立案からスポンサー提案、コンセプト設計など、イベントの土台を作る仕事。
• 広報・SNS担当:大会情報の発信、ファンとのコミュニケーション、炎上対策まで含めた重要ポジション。
• デザイナー/映像クリエイター:配信画面、告知用ビジュアル、オープニングムービーなど、大会の「世界観」を形にする。
• 営業(スポンサー担当):企業との交渉や提案資料の作成、協賛の取りまとめなど、お金と信頼をつなぐキーマン。
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3. キャリアの入り口って?
じゃあ、これらの仕事にどう関わるのか?
いくつか代表的なルートを紹介:
• ボランティア・スタッフ参加
地域大会や小規模イベントで、まずは運営の現場を体験。ここから繋がるチャンスが多い。
• eスポーツ団体・企業に所属
イベント制作会社、eスポーツチーム運営、配信事業者などに入るルート。専門学校や大学での就職支援も増えてきている。
• 個人として実績を作る
自主大会を開いたり、実況・解説・配信などでSNSやYouTubeを使って“見える形”で実績を作るのも有効。
• 異業種からの転職
イベント業界、映像・配信業界、営業・広報などからeスポーツ業界にキャリアチェンジする人も多い。
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4. 求められるスキル・資質とは?
eスポーツ運営には、こんな力が求められる:
• コミュニケーション力:裏方・選手・企業、いろんな立場の人と連携できる力。
• 問題解決力と冷静さ:トラブル時の判断力。
• 情熱と粘り強さ:華やかに見えて地道な作業の連続。でも“好き”が原動力になる。
• 最新トレンドの把握力:ゲームや配信プラットフォームの変化に柔軟に対応できる力。
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おわりに
eスポーツ運営に関わる仕事は、まさに「人の熱狂を支える仕事」。
選手にならなくても、ゲームを盛り上げる道はたくさんある。自分のスキルや情熱をどう活かすか、それを考えるのも、この業界の面白さのひとつ。
次回は最終回、ここまでの総まとめとして、eスポーツ運営の未来と課題について語っていきます!
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感想も、質問も、ふと思ったことでも大歓迎です!
ラストも全力でいくので、楽しみにしててください!
2025.04.22 コラム
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eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
第4回:eスポーツ配信の裏側 〜“魅せる”技術と演出の力〜
eスポーツ大会の配信を見て、「まるでテレビ番組みたい」と思ったことはないだろうか?
実はその感動の裏には、映像演出・配信技術・人の力が詰まっている。今回は、eスポーツ配信の裏側を解き明かしていく。
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1. 観戦用の画面はどうやって作られている?
選手が実際に見ている画面とは違い、配信では**観戦用のカメラ(オブザーバー視点)**が使われる。
オブザーバーは、ゲームの流れを読んで、
• 盛り上がる場面にフォーカスしたり、
• 特定の選手を追い続けたり、
• チーム全体の動きをマップで映したり
と、“実況カメラマン”のような役割を担っている。
プロ大会では、複数人のオブザーバーが連携して映像を切り替えることも。
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2. 実況・解説が担う「エンタメ化」の役割
配信の印象を大きく左右するのが、実況・解説の存在。
彼らはただ説明するだけじゃない。「物語を語る」「会場や視聴者と一緒に盛り上がる」ことが求められる。
良い実況・解説は、
• 視聴者のレベルに合わせた説明
• 選手やチームの背景情報の提供
• 熱い場面でのテンションの上げ方
こういった点で、配信の“体温”を上げてくれる。
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3. 配信チームの構成と役割
中〜大規模の大会では、配信チームだけで10人以上になることも。構成はこんな感じ:
• スイッチャー(映像切り替え)
カメラ映像・選手の顔・リプレイなどをリアルタイムで切り替え
• 音響・ミキサー
ゲーム音・実況音声・BGMのバランスを整える
• グラフィック担当
チーム名・スコア・タイマーなどの画面表示(オーバーレイ)を操作
• ディレクター(進行管理)
タイムスケジュール、選手入場、CMタイミングなどを全体指示
テレビ番組と変わらないレベルで、秒単位の連携が行われている。
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4. トラブル対応力が問われる現場
eスポーツ配信では、ネットや機材トラブルが日常茶飯事。
たとえば:
• 視聴者側で音声が聞こえない
• 映像が止まった・遅延が起きる
• プレイヤーのPCがクラッシュする
こうした時に配信チームが冷静に対応することで、配信のクオリティが保たれている。
裏方の**「見せない技術」**が光る瞬間だ。
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5. “魅せる演出”で大会の価値を高める
最近では、配信が単なる試合中継ではなく**“ショー”として演出されている**ことが多い。
• オープニングムービーやハイライト映像
• チーム入場演出(BGM・照明・映像合成)
• 視聴者参加型の企画(投票、チャット連動)
これにより、大会が単なる勝ち負けの場ではなく、感情を動かす体験になる。
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おわりに
選手のプレイを世界中に届けるのは、配信チームの職人技あってこそ。
見えないところで支えている彼らの存在が、eスポーツを“観るスポーツ”として成立させている。
次回は、eスポーツ運営に関わるさまざまな職種とキャリアに焦点を当てていきます!
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2025.4.21 コラム
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eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
第3回:選手とチームのマネジメント事情
eスポーツの大会が華やかに見えるのは、何より選手たちの存在があってこそ。でも、その裏で彼らを支えるのが「チームマネジメント」。実はこの分野、プロスポーツと同じくらい繊細で奥が深い。今回は、eスポーツ選手やチームのマネジメントについて紹介する。
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1. チーム運営の基本構造とは?
プロeスポーツチームには、大体こんな役割の人がいる:
• 選手(プレイヤー)
競技に集中する存在。1人のスターもいれば、5〜6人のチーム構成もある。
• コーチ・アナリスト
戦略面の指導や相手チームの研究、練習の設計などを担当。
• マネージャー
スケジュール管理、外部対応(スポンサー・メディア)、生活サポートなど多岐にわたる。
• オーナー/運営スタッフ
チーム全体の方向性や資金管理を行う。中には複数のチームや事業を抱えるeスポーツ企業もある。
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2. 契約とお金のリアル
プロチームに入ると、多くの場合契約書を結ぶ。内容は:
• 月給/報酬の金額
• スポンサーとの関係(ロゴをつける義務など)
• 配信や大会以外での活動(メディア出演など)
• 移籍や解雇の条件
これがしっかりしていないと、トラブルになりやすい。最近は、**法務や代理人(エージェント)**をつける選手も増えてきている。
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3. 練習環境とチームケア
強いチームを作るには、技術だけじゃなく環境の整備も重要。
• ゲーミングハウスやオフィス:共同生活や集中できる空間の提供
• メンタルケア:長時間プレイによるストレス、SNSの誹謗中傷などへの対応
• 生活リズムの管理:睡眠・食事・運動も含めて、プロのコンディションを保つ
これらをしっかり支えるのが、チームマネジメントの腕の見せ所。
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4. トラブル対応と炎上リスク
SNS時代のeスポーツでは、選手の発言や行動がすぐに拡散される。
• 配信中の不適切発言
• 対戦相手へのリスペクト欠如
• プライベートでのトラブル
こういった事案が起きたとき、マネージャーが早急に対応する必要がある。
場合によっては「契約解除」や「謝罪会見」といったシビアな判断も求められる。
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5. チームのブランディングとファンづくり
eスポーツチームは、選手の強さだけじゃなく、チームのキャラ作り・ファンづくりが重要。たとえば:
• YouTubeやX(旧Twitter)での情報発信
• コラボグッズや限定イベント
• 配信での“魅せ方”
これを運営・広報と一緒に作っていくのも、マネジメントの仕事のひとつ。
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おわりに
選手の背後には、数えきれないほどのサポートがある。
その「環境づくり」や「支え方」こそが、勝負の行方を左右することもある。eスポーツのチームマネジメントは、まさに現代型の総合プロデュース。
次回は、そんな選手たちのプレイを“魅せる”ための、配信と演出の裏側に迫ります!
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2025.04.17 コラム
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eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
第2回:eスポーツとお金の話 〜スポンサーと収益構造〜
eスポーツ大会って、どこからお金が出てるんだろう?
賞金、出演者、会場費、配信機材……華やかなイベントの裏には、現実的な「お金のやりくり」がある。今回は、eスポーツ大会の収益やコスト構造、スポンサーとの関係について、ざっくり見ていこう。
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1. そもそも何にお金がかかる?
大会の規模によって費用感は違うけど、主にこんな項目がある:
• 賞金/報酬:優勝賞金、出演料、実況・解説者のギャラなど
• 配信/映像関連:カメラ、スイッチャー、配信エンジニアなど技術費
• スタッフ人件費:進行、審判、運営スタッフ、マネジメント
• 会場費(オフラインの場合):レンタル代、機材搬入費、保険など
• 広告・告知費用:SNSプロモーション、Webサイト制作、PV作成など
中規模以上の大会だと、数百万円〜数千万円規模の予算になることもある。
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2. スポンサーはどうやって集める?
大会運営側にとって最も大きな資金源は、やっぱりスポンサー。
• タイトルスポンサー:大会名に名前が入るようなメインスポンサー(例:Red Bull、ZOWIEなど)
• 協賛スポンサー:バナー露出、配信内CM、物品提供など
• 商品スポンサー:ゲーミングデバイス、エナジードリンク、PCなどの提供
スポンサーを獲得するには、「この大会がどれだけ人の目に触れるか(=リーチ数)」が重要。
再生回数・SNSフォロワー・参加者数などのデータを**資料化(スポンサー資料・提案書)**して、企業に売り込むのが基本スタイル。
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3. 大会の収益モデルって?
スポンサー以外にも、こんな形で収益を得ることがある:
• 広告収入(YouTubeのスーパーチャット、Twitchの広告など)
• グッズ販売(大会Tシャツ、コラボアイテムなど)
• クラウドファンディング(コミュニティ主体の大会で多い)
• 参加費(小規模〜中規模大会で採用されることも)
一方で、大会によっては完全赤字でも開催するケースも多い。たとえば:
• ゲームタイトルを盛り上げるためのプロモーション
• 地域活性化や教育目的のイベント
• ファンイベントとしての意味合いが強いもの
この場合、「投資」として大会を開くという考え方になる。
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4. eスポーツ運営はビジネスとして成り立つ?
結論から言えば、「成り立たせるには戦略が必要」。
大手プロリーグ(LoL、VALORANTなど)は世界規模でスポンサーがついていて、しっかりしたビジネスモデルがある。でも、地域イベントや中小規模の大会は、コミュニティの熱意やパートナーとの関係性がカギになる。
成功のポイントは:
• 安定したスポンサーとの信頼関係
• 視聴者や参加者の満足度を上げる設計
• SNSでの拡散力や企画力
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おわりに
eスポーツ大会は「夢」と「お金」が混ざり合う世界。
プレイヤーの熱狂だけでなく、それを支えるためのリアルなビジネス設計も、運営の腕の見せ所。
次回は、選手やチームの「マネジメント」に迫ってみよう!
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2025.04.16 コラム
eスポーツ運営の舞台裏 〜熱狂を支える裏方たち〜
第1回:大会はどう作られる?企画から当日までの流れ
eスポーツ大会を見るとき、選手たちのプレイや実況の盛り上がりに目が行きがち。でも、その裏には数ヶ月にわたる地道な「運営の仕事」がある。今回は、大会がどうやって作られるのか、その流れをざっくり紹介していく。
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1. コンセプト設計:なぜこの大会を開くのか?
まず運営が最初に決めるのは「大会の目的」。
・初心者向けのイベント?
・トッププレイヤー同士のハイレベルなバトル?
・新しいゲームを盛り上げたい?
目的が決まれば、大会の「雰囲気」「規模」「予算感」がある程度見えてくる。
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2. タイトル選定と権利のクリア
大会を開くには、そのゲームタイトルの使用許可が必要。
たとえば、VALORANTやLeague of Legendsなどはライセンスに厳しく、運営に申請が必要。逆にオープンなゲームは開催しやすい。ここでゲーム会社との調整が発生する。
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3. スケジュールと会場・配信の確保
リアルイベントなら会場選びが重要。アクセスの良さ、ネット回線の品質、観客席の規模、機材搬入のしやすさなど、見るべきポイントが多い。
オンライン開催でも、配信プラットフォーム(Twitch、YouTubeなど)との相談、サーバー環境のチェックが欠かせない。
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4. ルール作成とエントリー管理
「参加条件」「マップの順番」「禁止行為」「ペナルティ」など、細かいルールをしっかり設計することがトラブル防止の鍵。
また、参加者の募集・登録・連絡も意外と大変で、専用サイトやフォームの準備が必要になる。
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5. 当日運営と裏方の連携
大会当日は、プレイヤー、実況・解説、配信スタッフ、審判(レフェリー)など多くの人が動く。
・進行管理
・タイムスケジュールの調整
・トラブル時の対応(回線落ち、機材トラブル)
これらをスムーズに動かすために、事前のリハーサルや連絡体制が超重要。
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おわりに
大会は「その日だけ」のイベントじゃない。何週間、何ヶ月もの準備の積み重ねが、あの一瞬の熱狂を作っている。
次回は、運営にとって避けて通れない「お金の話」を掘り下げてみよう。
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2025.04.16 ブログ
2025年最新版|eスポーツとは?注目タイトルや将来性・日本の動向を解説
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メタディスクリプション(検索結果に表示される要約):
「eスポーツとは何か?2025年最新の人気ゲームタイトル、将来性、日本国内の動きまで初心者にもわかりやすく解説。プロを目指す方やビジネスで注目している方も必見です。」
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【本文】
はじめに|eスポーツの注目度は年々上昇中
2025年現在、eスポーツ(eSports)は世界的な盛り上がりを見せており、プロゲーマーやストリーマーの活躍に注目が集まっています。日本国内でも学校教育や地方イベントに取り入れられ、**「新しいスポーツの形」**として社会的な認知度が急速に高まっています。
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eスポーツとは?意味と定義をわかりやすく解説
**eスポーツ(Electronic Sports)**は、対戦型のビデオゲームを使った競技のことです。スポーツと同じように、戦略・反射神経・チームプレイ・メンタル管理が重要視されます。
よく使われるゲームジャンル:
• FPS(例:VALORANT、Call of Duty)
• MOBA(例:League of Legends、Dota 2)
• バトルロイヤル(例:Fortnite、Apex Legends)
• スポーツ系(例:eFootball、FIFA)
• 格闘ゲーム(例:ストリートファイター6、鉄拳)
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2025年注目のeスポーツタイトル
以下のタイトルは、2025年でも世界・日本で人気を保っています:
• VALORANT:日本国内大会が増加中
• League of Legends(LoL):eスポーツシーンの王道
• ストリートファイター6:格ゲー文化の再燃
• Fortnite:若年層から大人まで根強い人気
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日本におけるeスポーツの現状(2025年版)
• 文部科学省が「eスポーツを部活動の一環として認定」
• 国体でのeスポーツ競技採用
• 高校・大学にeスポーツ専攻や専門校が登場
• eスポーツ施設の地方展開(例:eスポーツカフェ、アリーナ)
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eスポーツの将来性|なぜ今注目されているのか?
• 教育分野との連携(デジタルリテラシー教育)
• メタバース・Web3との融合
• スポンサーや企業タイアップによる市場拡大
• 健康管理・メンタルケアとの連携で“本格スポーツ化”
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初心者がeスポーツを始めるには?
1. 自分に合ったゲームジャンルを選ぶ
2. PCやゲーミングデバイスを揃える
3. オンライン大会やコミュニティに参加してみる
4. SNSやYouTubeで情報収集
5. 自分のプレイを録画・分析して成長につなげる
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まとめ|eスポーツは2025年以降も成長が期待される業界
eスポーツは単なる「ゲーム」ではなく、本格的なスポーツ・産業として世界中で注目されています。
今後も教育・医療・エンタメなど多方面との連携が進み、ますます社会に浸透していくでしょう。
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関連記事(内部リンク例)
• 初心者向け:おすすめeスポーツゲーム5選(2025年版)
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2025.04.15 ブログ
eスポーツと不登校:交差する新たな可能性
■ 不登校の現状(2025年時点)
• 不登校の児童生徒数は増加傾向にあり、文部科学省のデータによれば、2023年度には小中学生の不登校が約30万人を超えた。
• 要因は、いじめ、家庭の事情、学習面の不安、学校という場に合わないなど多様化。
• オンライン教育やフリースクールの活用が進む中で、「学校に通わない=学ばない」という構図は変わりつつある。
■ eスポーツとは?
• コンピュータゲームを使った対戦を競技として行うもので、世界的な大会では数億円規模の賞金も。
• ゲームを「遊び」と見なす時代から、「スキル」「戦略」「チームワーク」を必要とする競技として社会的認知が進む。
■ eスポーツが不登校の若者に与える影響・可能性
• 承認欲求の充足:学校で評価されない子どもたちが、ゲームを通じて「得意なこと」「認められる経験」を得る。
• コミュニケーションの再構築:オンライン上のチームプレイで、他者とつながる経験ができる。
• キャリアの選択肢:プロゲーマー、配信者、解説者、イベント運営など多様な職業につながる可能性。
• フリースクールとの連携:eスポーツを導入するフリースクールも登場。ゲームを通じて学びを取り戻すきっかけに。
■ 課題と注意点
• 依存のリスク:過度なプレイによる生活習慣の乱れや健康問題。
• 保護者・教育現場の理解不足:ゲーム=悪と見る旧来の価値観とのギャップ。
• 競技性のプレッシャー:eスポーツで成果を出せないことが逆にストレスになる可能性も。
■ 今後の展望
• eスポーツを活用した「学びと社会参画の入り口」としての可能性。
• 学校外での「自己実現の場」を広げる選択肢の一つとして社会がどう受け止めるかが問われる。
2025.04.13 ブログ
【2025年4月13日】eスポーツと健康の関係|プロゲーマーはどう体調管理している?
こんにちは!今回は「eスポーツと健康」という、少し掘り下げたテーマでお届けします。
「ゲームばかりしていて健康に悪そう…」そんなイメージを持っていませんか?実は、トップレベルのeスポーツ選手たちは、健康管理にとても気を使っているんです。
なぜ健康管理が重要なのか?
eスポーツもれっきとした競技。長時間にわたる集中力、反応速度、判断力が勝敗を分けるため、体調がパフォーマンスに直結します。
主な理由は以下の通り:
• 反射神経と集中力の維持
• 長時間のプレイによる身体的負担(目・首・肩・腰など)
• メンタルコンディションの安定
• 試合や大会での時差や移動疲れへの対策
プロ選手たちはどう対策している?
eスポーツ選手は今やアスリートと同じように体調管理を行っています。
• ストレッチや軽い運動を習慣化
• トレーナーによるボディケア
• 食事管理やサプリメント摂取
• 定期的な眼科・整体の受診
• メンタルコーチと連携する選手も増加
2024年には、eスポーツ選手向けのフィットネスジムや専門クリニックも登場し、健康サポートの環境がさらに整ってきました。
家でもできるeスポーツ健康習慣
プロじゃなくても、健康にゲームを楽しむために意識したいことがあります。
1. 1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチ
2. 正しい姿勢と椅子選び(ゲーミングチェアも活用)
3. ブルーライトカット眼鏡や画面の明るさ調整
4. 水分補給を忘れずに
5. 夜遅すぎるプレイは避けて睡眠時間を確保
ゲーム=不健康、はもう古い?
「ゲームばかりしてると体に悪い」は、もう時代遅れかもしれません。
正しく向き合えば、集中力や判断力、チームワーク、忍耐力を鍛えることができるのがeスポーツ。健康的に続けるための意識が大切なんですね。
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おわりに
eスポーツは、心も体も整えて臨む“頭脳と反射の競技”です。健康管理をしながら、自分なりの楽しみ方を見つけていきましょう!
今後は、学校や企業でのeスポーツ×健康教育も注目される分野になりそうです。